《MUMEI》 何とか無事、教会に着いた。 花禀様はすぐ、お召し替えの為控え室に。 僕は来賓の方々を席にご案内するのに大わらわだった。 「ふぅっ‥」 花禀様──素敵だろうな。 って‥‥‥これでいいのか‥? 神山さんに‥花禀様を取られてしまっていいのか‥? 「──篠河君、花禀が呼んでいるよ」 「っ、花禀様が‥?」 何のご用だろう‥‥‥。 何故か、心臓がドキドキし始める。 花禀様が、僕を呼んで下さった──それが、物凄く嬉しかった。 前へ |次へ |
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