《MUMEI》

でも‥いざ扉の前に来たら緊張の方が大きくなってしまった。





「‥花禀様、お呼びで‥」





訊き終わる前に、扉が開いた。





目の前には‥真っ白なウエディングドレス姿の花禀様。





「───────」





見とれて‥しまった。





「‥‥‥‥‥‥‥」

「‥‥‥‥‥‥‥」





‥数秒間、沈黙。





「‥‥‥バカ執事‥」

「ぇ」





‥笑ってらっしゃる‥。





「私がいなくなってもしっかりやりなさいよ‥?」

「──はいっ」





‥僕は‥何を期待していたんだ‥?





今更告白されるとでも‥思っていたのか‥?

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