《MUMEI》

「さぁ、前へどうぞ──お2人共」

「‥ぇ」





神山‥さん‥?





「随分と登場が遅かったですね──家来君。女王様がお待ち兼ねでいらしたのに」

「ぇ‥ちょっ‥」





何を仰っているんですか‥?





「ご紹介します。篠河葵──彼がお嬢様の本当のフィアンセです」

「‥ぇ‥」





‥何が起きたんだろう。





「早くした方がいいですよ?」





ドンッ、と背中を押された。





「ぅわッ‥!?」





‥転びそうになった。





「‥‥‥ほら」

「ぇ」

「‥お手」

「ハイッ‥」





って‥‥‥、ぇ‥?

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