《MUMEI》

「──これであの時の借りは返したから」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「‥ちょっと‥?」

「僕で‥‥‥宜しいん‥です‥か‥?」

「──私のフィアンセはあんただけ」

「‥‥‥僕‥だけ‥?」

「んん"ッ」

「‥ぇ」

「‥お姫様抱っこ位しなさいよ」

「‥‥‥僕が‥ですか‥?」

「‥何か言った‥?」

「!!‥」





畏まりましたッ‥。





──軽い。





フワリ、と簡単に浮き上がる。





‥で‥‥‥これからどうすれば‥?





「ほらっ、歩いて外行くの」

「ハ‥‥‥ハイッ」





花禀様をお姫様抱っこしたまま‥バージンロードを戻り出す。





物凄く‥緊張した。

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