《MUMEI》

「葵ー!」





‥葵‥?





今‥花禀様‥‥‥僕の事葵≠チて呼びました‥?





「何ボケッとしてんの、早く来なさい」

「‥あの‥」





いきなり名前で呼ばれると‥何だか‥。





「──ほーらッ、は・や・くっ」





引っ張られて、ご主人様と奥様の前に。





「おめでとう、2人共」

「かっこ良かったわよ? 乗り込んで来た篠河君──」

「ぁ‥‥‥本当に済みません‥僕‥‥‥」

「一皮剥けた、って感じね」

「?」

「──まっ、仕事はまだまだだけど」

「こらこら、花禀──」

「だってほんとでしょ?」

「頑張りますっ、これから‥。ちゃんと仕事出来るように」

「ふぅん‥?」

「‥ぁ‥‥‥ええと‥」





まだ緊張が抜けない‥。





「‥堅い」

「はい‥?」

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