《MUMEI》

「かったいのよあんた。ていうかいつまで『夢なんじゃないか』的な顔してんのよっ」

「ぃゃ、だって‥‥‥」





本当に──夢みたいなんですもん。





でも‥夢──じゃないんだよな‥?





「‥仕事以外でなら『花禀』って呼んでくれてもいいわよ?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「‥反応しなさいよ」

「ぉ‥お名前を直接‥というのは‥‥‥」

「そりゃ、まだ私とあんたは主人と執事だけど──‥ぁ〜もぉめんどくさいっ。とにかくっ、あんたは私のモノなのっ。いいわね!?」

「ハ‥‥‥ハイッ」





花禀様をお姫様抱っこしたまま‥バージンロードを戻り出す。





物凄く‥緊張した。

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