《MUMEI》

「あんた執事で良かったわね──」

「?」

「こういう場所でもそのまんまの格好で通用するもの」

「ぁ‥‥‥はい──」

「何見とれてるの?」

「いえッ‥」





ただ‥花禀様が本当に──綺麗で‥。





「ぁー何かお腹空いてきたかも」

「では──帰ったら何かお作り致しますね」

「何作ってくれるの?」

「何が宜しいですか?」

「‥何でもいいけど」

「──畏まりました」

「‥ぁ、やっぱりマフィンがいい」

「チョコチップのですね」

「うんっ」





無邪気な、笑顔。





「帰りましょっ、葵」

「──はい」





本当に──なって下さったんだ、花禀様。





──僕の、花嫁に。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫