《MUMEI》

「材料って何買うの?」

「色々です」

「帰りに服見てもいい?」

「ブティックですか?」

「ううん──普通の店。庶民的だけど結構いい物置いてあるのよね──」

「では──買い物が済んだら行ってみましょうか」

「うんっ♪」

「ぅわッ‥!?」





いきなり‥腕に抱き付かれた。





「ちょっ‥花禀様‥見てますッ‥」

「何よ、よそよそしいわね‥」

「ぃぇ‥そういうつもりは‥‥‥」

「ハイ、ハイ──。取りあえず‥さっさと材料揃えて。じゃないと次行けないでしょ」





と‥花禀様が仰られたので、僕は大慌てで材料の買い物を済ませた。

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