《MUMEI》
ジブン
ラロが大人しくなって

部屋の中は

静かになった。

私は

昔のジブンを思い出そうとしたけど

あんまり

覚えてなかった。

「ねぇ、ラロ」

「ん?どうしたの?」

「私って、羽音なのかな」

「??」

「私は‥羽音なのかな、ハノンなのかな‥」

「どっちもキミだよ」

「どっちも‥?」

「うん♪」

「そっか‥」

──そうだね。

どっちも

ジブンなんだ。

私なんだ──。

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