《MUMEI》

大量の紙袋を両手に下げて、花禀様とお邸に戻って来た。





「──お帰りなさい♪」





扉を開けようとしたら、奥様が出迎えて下さった。





「沢山買い物してきたのね──」

「でも5000もいかなかったのよ? ──ねっ?」

「はい」





かなり安く買えましたから──。





「ぁ、晩餐の支度を‥」

「待て」

「ハイッ‥」





って‥何だかいよいよ本格的にペット化してしまってきたような気が‥。





「料理だけはまだあんたには任せられないわ」

「と‥申しますと‥?」

「‥しょうがないから私も一緒に作ってあげるって事」

「‥‥‥花禀様が‥?」

「‥失礼ね、私だって料理位出来るわよ」

「──では‥‥‥ご指導宜しくお願い致しますっ」





とても賑やかで──楽しい夜だった。





そして‥‥‥もうすぐあの日がやって来る。

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