《MUMEI》 守るべき者「じゃあ、俺は行くから。後でね」 「…柊」 「何?」 「いざというときは、俺より希先輩を守れよ」 希先輩まで巻き込まれる心配は無いだろうが、相手はあの弘也だ。 「今日は希先輩と一緒にいろよ」 「じゃあ、希と一緒に祐也を見守る事にする」 「離れて、だぞ」 「…わかってる。じゃあ」 苦笑しながら、柊は部屋を出た。 それから俺は、入れ違いに入ってきた志貴と朝食を食べた。 「今日は、ずっと一緒にいるからね!」 「いいけど、いざというときは、離れてくれよ。危ないから」 志貴には、何よりも 自分自身を守って欲しかった。 「頼りないけど、拓磨と一緒に祐也を見守ってる。 ほら、拓磨。見た目だけなら強そうだし?」 「そうだな」 確かに拓磨は見た目だけなら体格はいいし、喧嘩も強そうに見えた。 「喋るといろいろ残念だけど」 「…そうだな」 (悪いな、拓磨) 俺は拓磨をネタに、志貴と笑い合い 少し、緊張をほぐす事ができた。 「祐也も、ちゃんと自分を大切にしてね」 「ん」 俺は、自分の身は自分で守るつもりだった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |