《MUMEI》 カタミ私は 暫く考え込んだ。 あの時見たのは 昔いた場所‥? だとしたら── 私 カコを見てたの‥? それとも── 「羽音?」 「ぁ‥‥ごめん」 ラロに話しかけられて やっと 我に返った。 「ね、羽音」 「?」 「これ、覚えてる?」 ラロが見せたのは 私のツバサ。 「よくは覚えてないけど‥でも、私にはそれが生えてたんだよね?」 「うん。これがキミにとって唯一の形見」 「カタミ‥」 そっか‥ これが証明なんだ‥。 私が見たのは 旅をしてた頃のキオクだったんだ‥ きっと───。 前へ |次へ |
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