《MUMEI》

二人の子供が出来るといいなぁ…と、たまに思ってみたりする。

きっと、こんなに美人なのに素直なアキラの子供だから、同じくらい美人な子供になるだろう。

だけど…彼は男性、俺も…男性だった。


「克哉さん、もしかしたら人混みから離れてるのかも、あっち行ってみましょう」
「…ぁ…あぁ…」
「あっ、何してるんですか///」

そっと彼の腰に手を廻して自分の方に引き寄せてみた。

「いいだろう…少しぐらいくっついても…」
「う///あの、この辺に居なかったら、け…境内の裏とかも、探してみましょうよ」
「境内の裏か…いいなぁ///」
「何言ってるんですかッ///」

こうやって恥ずかしがる姿も可愛らしい。

それにしても…かなたはもう小さな子供ではないのに、何をそんなに慌てているんだ。

= = = = = = = = = = = = = = = = = = = =

かなた君が迷子になったという事を聞いて、心配になって…居ても立ってもいられなくなった。

かなた君の浴衣を着せている時、見てしまったんだ。

かなた君が女の子の下着を上下とも付けていたのを…。

(どこかの変態おじさんにさらわれて、変な事されてないだろうか…)

人混みの中、あんな可愛い子がたった一人で歩いてるなんて、狼の群の中に子羊を放しちゃうようなもんだよ。

「かなたく〜ん…かなた……ちゃん」
「どうして呼び方を変えたんだ?」
「…だって…見た目は女の子だから…ちゃんの方が似合うかな…と思って」

それに、もし見つかった時”かなた君”なんて言ってたら周りの人も驚くだろうし。

それにしても、意外と金髪の小さい子っていっぱい居るんだなぁ。

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