《MUMEI》
ケハイ
「‥!?」

今の音‥

何‥‥?

もしかして‥

あのツカイが‥

「羽音?」

「ラロ、隠れて!」

「え?」

私は

ラロをオルゴールに隠した。

だって‥

もし音を立てたのが

ツカイだったとしたら

ラロを

連れて行っちゃうから。

「‥‥‥‥‥‥‥」

私は息を殺して

窓を覗いた。

でも

そこには

何もいなかった。

「‥‥‥‥?」

風もないのに

カーテンが揺れた。

「‥‥‥‥っ」

これって──

「!」

足元で

ケハイがした。

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