《MUMEI》
マホウ
あの頃の事を

もう

忘れかけていた

そんなある日。

「羽音っ♪」

ラロの声がした。

「ラロ‥!?」

‥あれ‥

いない‥?

気のせいなのかな‥。

「羽音ってばぁ!」

「ど、どこ!?」

見回しても

やっぱり

ラロの姿はない。

私‥

どうしちゃったんだろ。

「‥!?」

「えへ♪ビックリした?」

いきなり

ラロが現れた。

私の

目の前に。

「今‥マホウで隠れてたの?」

「うん、そうだよ♪」

──あのデアイの時も

こんな感じだった‥。

「ラロ‥」

私は

泣きそうだった。

ラロは

ちょこんと

私の肩に座った。

「ごめんね羽音。なかなか外出許可が下りなくて‥」

「ううん‥また会えて良かった‥」

本当に

嬉しいよ‥。

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