《MUMEI》 ──屋上。 「───────」 フェンスに凭れながら‥私はメダルを掲げてぼんやりしてた。 これが‥私とあいつを引き合わせたんだ。 もう‥あれっきり会う事ないだろって思ってたのに。 だってあいつ‥幼稚園の卒業前に引っ越して行ったんだから。 だから‥かなりビックリした。 ‥でもある意味‥再会した事よりあいつが豹変してたって事の方がビックリだ。 誰かと思ったもん‥。 「──────‥」 しかも‥無理矢理彼女なんかやらされて‥。 「ッ‥‥‥」 何か無性にムカついて‥メダルを握り締めた手を振りかぶる。 ‥でも‥投げられなかった。 ‥何か‥大事な物って気がして‥。 前へ |次へ |
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