《MUMEI》 コテージそれから俺は、弘也の命令で自分の無事と探す必要はないというメールを志貴と柊に送った。 「これでいいだろ。お前の友達を回収しろよ」 「まだだ。その生意気な口と態度をちゃんと調教してからだ。 …もちろん、体もな」 「…っ…」 (気持ち悪い) 弘也の舐めるような視線に、鳥肌が立った。 そして、車は目的地と思われるホテルの敷地内に入った。 車は一番大きな建物の前を通り過ぎ、広い敷地の林の中に入っていく。 林の中にはちらほらと、同じような木の建物 コテージが見えた。 「着いたぞ、降りろ」 車が止まったのは、かなり奥にあると思われるコテージだった。 「お前はここにいろ。明日の朝になったら帰っていい」 運転手にそう言い、弘也は俺を引きずるようにコテージの中に連れて行った。 (あんなの、友達じゃないじゃないか) チラッと運転手を見ると、彼は俺から目をそらし、うつ向いていた。 「さぁ、調教開始だ」 「その前に言っておくが、俺の保護者は忍だ。 それでも、するのか?」 (忍を敵に回す覚悟はあるのか?) 俺は、弘也が怯む事を願っていた。 前へ |次へ |
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