《MUMEI》
最後の抵抗
「ま、待って! 待って、…下さい!」

「待てるか」


全裸の俺を押し倒した弘也の荒い息が俺の首筋にかかった。


(こ、こうなったら!)


「お願い、します!弘也…様!」


俺は必死で弘也の機嫌を取った。


「何だよ」

「ふ、お、お風呂に入りたい、です!」

「一人でか?」


(駄目か?)


そう思いながらも、俺は何度も頷いた。


「…こっちだ」


そんな俺をあざ笑うように弘也は俺を


(…そんな…)


ガラス張りのシャワールームに押し込み、ドアを閉めた。


「早くしろよ」


ガラス越しに弘也は俺を見ながら言った。


(もう、ダメだ)


シャワールームには、小さな窓が一つあるだけだった。


(それに、逃げても、皆が…)


俺は、うつ向きシャワーを浴びた。


そんな時


ピンポーン


コテージのチャイムが、鳴った。


弘也はそれを無視した。


そして


…弘也が、吹っ飛んだ。


「な、なななな、何者だ!お前は!」


倒れたまま、叫ぶ弘也。


俺を助けてくれたヒーローは


意外な人物だった。

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