《MUMEI》 扉を開けたら、ヒョコッと顔を出した小百合ちゃん。 「元気そうで良かったわぁ、どないしたかなぁ思て心配やってんけど──」 「ごめん‥イズミに振り回されてさ‥」 「井之上君に?」 「あはは‥、でもまぁ、何とか‥」 「そか──。ほな、これっ」 「ぁ、ありがと〜っマジ助かった! ほんとありがとっ」 「構へん構へん♪」 小百合ちゃん──変わらないなぁ──。 明るくて、優しくて──しかも‥かなり可愛い。 何か──羨ましい。 「どないしたん?」 「ぁ‥‥‥そだっ、上がってかないっ?」 「ええて、そないに気ぃ遣わんといてや──半年だけやったけど一緒に遊んだ仲やん?」 前へ |次へ |
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