《MUMEI》

「どうしたの京──元気ないね?」

「学校大変か?」

「‥ぇ」





晩ご飯の最中も‥私はボケーッとしてばっかいた。





「ぉ、ひょっとして恋とか?」

「してないからッ」





お父さんも兄ちゃんみたいな事言う‥。





「絶対違うし‥」





小百合ちゃんに言われた時から‥もしかしたら、って気はしてた。





でも‥違うってずっと思ってる。





認めたくないのかも。





ほんとは私‥あいつの事‥。





私‥恋なんかした事ないし‥好きっていうのがどういうのかも分かんない。





でも‥‥‥何でかあいつの事嫌いになれないんだ。

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