《MUMEI》
守るべきもの
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*



―――…その頃。



幼女「パパー、いってらっしゃーい!」



K部長「はーい、カレーパンナちゃ〜ん、行ってくるよぉ〜。」



マンションらしき住居の玄関先で、幼い女の子を抱き上げ、満面の笑みをうかべて、その愛苦しい頬に唇を押しあてる男がいた…。



それは、年取ってから生まれた我が子を溺愛する好々爺といった雰囲気の、微笑ましい光景だった。




妻「アナタ、今夜も帰りは遅いの?」



K部長「あぁ、食中毒事故のクレーム処理やら何やらで忙しくてな…。


…お前にも心配かけて済まないなぁ。」



カレーパンマンは、抱き上げていた愛娘を妻に渡し、疲れた笑顔で答えた。

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