貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》「少女」-2
「それにしてもフィンクは言葉喋れるんだね、驚いちゃった。」
「ま、まぁな」
「旅芸人さん?」
アシュリーは俺から離れようとしない。
まずいな…
人々の視線は益々俺達に向けられる。
「そ、そうだアシュリー、とりあえず酒場に行かないか?俺酒場に用事があるんだ」
「え?そうなの、奇遇だねー、私も酒場に用事があるんだ」
人をかき分け、俺達は足早に酒場に入った。
朝の酒場は、酒場というよりも軽食店である。
のんびりと朝食を取る人達で賑わっている。
やはりここでも、俺は注目の的だった。
とにかく、カウンターテーブルの席に座る。
「おや、珍しいお客様ですな、ご注文は?」
「あ、その前にこれ…」
テーブルの上にコインを置く、その瞬間マスターとアシュリーの顔が変わった。
「こ、これは…マスター様でしたか、失礼しました、すぐ朝食を用意しましょう」
なぜかマスターは、急いで店の奥へと入っていった。
アシュリーは驚きの表情でコインを取って眺めた。
「すごいよフィンク、一級冒険者(マスター)だったなんて」
「マスター?このコイン、貰い物なんだが」
「え゛っ、じゃあ冒険者じゃないんだ」
少し残念そうにうつむく。
「まぁいっか、後で教えてあげるね、とりあえずご飯、ご飯♪」
しばらくして数人のウェイトレスが朝食を運んできた。
(ふぅ…なんだが、混乱してきた)
頭を整理すべく、俺は朝食を口に運んだ。
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