《MUMEI》
金平糖
和歌と二人で、色々屋台を見て回った。





「和歌‥食べ過ぎじゃない?」

「いいのいいの、お祭じゃんっ」

「後でお腹痛くなっても知らないよ‥?」





そう言って歩きながら、あたしは巾着から小瓶を取り出す。





「あれ、また金平糖持って来たの?」

「うん。食べる?」

「私はいいや。紗織ほんっと好きだねーそれ」

「──小さい頃から食べてるしね──」

「でもさぁ、何も夏祭りにまで持ってこなくてもよくない?」





苦笑する和歌。





「まぁ好きならいいけどさ? ‥ってあれ‥紗織‥? 紗織ー!」

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