《MUMEI》

「あんたがしょっちゅう怪我するから持って来たの」

「‥余計な世話ばっか焼きやがって」

「うっさいなぁ‥」





私だって好きで手当てしてあげてる訳じゃないもん。





「はいっ、一応これで大丈夫なはずだから」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「まだどっか怪我してんの‥?」

「‥してねーよ」





イズミ、いきなり立ち上がって‥フェンスから身を乗り出した。





「何してんの‥?」

「‥空」

「空?」

「‥空見てんだよ」

「何で?」

「‥‥‥そーやって何でもかんでも訊かねーと気ぃ済まねーのかよ」

「違うけど‥気になるから」

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