《MUMEI》

それからは毎年、私はその子に会うようになっていった。





でもその子は、夏祭りの夜にしか現れない。





その夜以外にここに来ても、会えないんだ。





「──おーいっ」





小さく、呼び掛けてみる。





“金平糖ある?”





鈴が鳴るみたいな声。





あるよ、って答えたら、ひょこっ──と出て来た、お面を被った男の子。





10歳位だと思う。





甚平姿で、背はちょっと小さめ。





顔は、まだ見た事ない。





見た目的には、全然、妖って感じじゃない。





初めて会った時は、普通の人間の男の子と見間違えた位。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫