《MUMEI》

―ピッ
カードキーを通す音が静かな廊下に響く。

「ここが俺の部屋、どうぞ。」

「最上階かいな……」

気後れしながら促されるまま玄関に入る。

「少し待ってて。」

そう言ってしばらくしてタオルとTシャツ、ズボン何故か未使用な下着を携えて戻ってきた。

「はい、シャワーでもどうぞ。」

「…見知らん奴によう風呂とか貸せるな。」

「いや、ほらそのままは流石に汚いだろ?」

この微笑み爆弾め、そりゃそうだが傷ついた。

「ほな貸してイタダキマス。」

「聞き分けがよくて大変よろしい、風呂はここね、ごゆっくり。 」

いきなりな展開に戸惑いながらもシャワーを浴びる。
「汚っ、オレ汚っ。」

黒い水が流れるのを見てショックを受けた。

手早く済ませて 黒い水が跳ねた跡は洗っておく。

そして着替えて明かりのついた部屋に向かった。

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