《MUMEI》
甘党
「はい、全部食べていいよ」

“ありがとっ”





この子、ちょっと変わってる。






何でか、金平糖が好きなんだ。




私に負けない位、甘党。





“さおりは何で毎年来るの?”

「会いたいから、かな」

“僕に?”

「何か可愛いじゃん」

“可愛い?”





お面を付けたままの顔が、こっちを向く。





“僕って可愛い?”

「うん」





答えたら、その子はちょっと照れたみたいだった。





「ねぇ‥」





少し迷いながら、私は──ずっと気になってた事を切り出した。





「──何でいっつもお面してるの?」

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