貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》「花」
食後のお茶で一息つき、アシュリーは説明を始めた。
「ほら、コインの端に文字が彫ってあるでしょ?これは国王が特別な贈り物に付ける印で、このコインは歴史的に残る活躍をした冒険者に送られたものなの」
年季が入ってはいるが、その高級感を失わないコインは国一番の品質を持つ金で製造されたそうだ。
「この街で生まれた冒険者、パッキ・クランフォードは生涯をかけて遺跡を探索し、古代文明を解析、世界の歴史解明に大きく貢献したのよ!」
いつの間にかアシュリーは悦に入っていた。
よほど彼女は冒険者、いやパッキ・クランフォードに憧れているのだろう。
「で、私は彼の生まれ故郷であるこのプラムの街…あ、今は冒険街クランフォードに来たってわけ」
「アシュリーは冒険者になるのか」
どうみても冒険者に見えない。まだまだ幼さが残る少女が危険な冒険業に憧れるとは理解できなかった。
(女性はもっとおしとやかだと思ったが)
アシュリーが変わっているだけなのか
「そうだ!」
何か閃いたように、パッと顔を輝かせ俺の手を握る
「私、フィンクについていく!」
「えっ!?」
突然の彼女の提案に俺は戸惑った。
「アシュリーは冒険者になりたいんだろ?悪いが俺には別の用事が…」
「だったら、それにもつき合う!」
ギュッと抱きついてくる。
彼女は一度言い出すと止まらない、そんな気がした。
(そういえば、森の王が言っていたな…)
「旅は道連れじゃ!」
「わかったよ、旅は道連れと言うしな」
「本当に!?ありがとう!」
さらにギュッと抱きついてくる
「いたたた、わかったから離れてくれよ…」
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