《MUMEI》

「え…?」


「この前のボロ負けで戦意喪失?


俺は逆に気付かされたね。


勝たなきゃつまんね〜って。」


「…」


「さて…


そろそろだ。


ど〜する?


5点差。


相手は聖龍。


お前も勝ちたいなら頭から行かなきゃ厳しいぞ?」


「…」










「鉄也!!」


「あん?」


麻倉が三島を呼ぶ。


「テーピングと両面。」


「…早くしろバカ。」


テーピングと両面テープを投げ渡す三島。


「さんきゅ。」


テーピングを巻き直す麻倉。


「おいおいおい。
誰も出すなんて言ってね〜だろ。」


秀皇大学のコーチが割って入る。


「言ってたじゃないすか。」


さらに川上が口を挟む。


「…好きにしろって。」


「いや、
それは…」


「すいませんコーチ。


行かせてください。


…約束するんで。」


「はぁ?」










「俺のハンドボールを見せるって。」

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