《MUMEI》

結局‥イズミには何も知らせらんないまま体育祭が始まった。





「‥何キョロキョロしてんだよ。誰かいんのか、知り合いとか」

「えっと‥」





もう知り合いってレベルじゃないんだよね‥。





まだ来てないみたいだけど──‥っているしッ‥!!





何か必死で気付かれないようにしながら思いっ切りイズミの事見てるしッ‥。





「‥おい、次走んのお前だろ」

「へっ‥? ぁ‥そうだっけ‥」

「──‥お前その年でボケてんじゃねーよ」

「ボケてないしっ。ていうか──」

「‥おら、さっさと行け」

「‥!! ちょっ‥背中押さないでよっ」

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