《MUMEI》

第一関節が、個体の生き物みたいに動いてくる。

「ンッ――――――ンン!」

舌が一つになる感覚と、お腹の中の熱いものが沸く感覚とが混同する。
時間をかけて割って入って、俺はみるみる指を飲み込んだ。


「ぬくいよ……」

キスも止み、七生の感想で、ふわふわと地に足付かない感覚から一気に現実に引き戻された。


「やっ……抜いてっ…………!きたないから……」

普段、絶対に入れられるようなことの無い排泄口に指が入るなんて……。



「二郎の『止めて』は聞き飽きた。だって、気付いてる?」

七生の存在で自分の体の形を知る。包むように俺の滲む尖端を触れられた。
力が入り、爪の中に七生の細胞へ沈む。


呼吸することを忘れてしまいそうになる。

「 や……」


掻き回される、
一瞬の圧迫感と共に七生の指が
もうひとつ増えた。



にちにち、

聞いたことの無い音が内側からしてきた。

背骨が橈んで、七生の腕にしがみつく。
掌の中で転がされ指先で捏ねくり回されて、破裂しそうだ。


「 ふ、 あふ……っ あう……」

俺をこんな風にする七生が憎い。
外と内からの刺激に追いつけない。

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