《MUMEI》

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―――…暫時後。



カレーパンマンは、京王電鉄・多摩線の電車に揺られていた。



まばらに空いていた座席の一つに座り、何をするでもなく、ボンヤリと携帯電話の待ち受け画面を眺めている…。



その小さな画面の中には、妻……チョココローネに抱かれた、幼い娘の笑顔が輝いていた…。



カレーパンマンは、その笑顔を見つめて眼を細めた。



(この子が20歳になるまでは、石にかじりついてでも頑張らなきゃな…。)



カレーパンマンと妻との間にできた愛の結晶は、ママそっくりな巻き貝状のパン生地の中に、カレールゥとチョコクリームをブレンドした具が詰まっている。



その絶妙な味のハーモニーは、娘の未来同様、無限の可能性を秘めている…。

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