《MUMEI》
過去にこだわらない男
「祐也の無事な姿見たし、俺、帰るわ。

徹さん、駅までよろしく」


そう言って、祐は俺と入れ替わるように、徹さんの


正確には、徹さんが借りた大志さんの車に乗り込んだ。


「俺は過去にこだわらない男だから」


ハートが飛んで来そうなウインクと笑顔を、祐は俺に向けてくれた。


「…そっか」

「だよ。じゃ、また来週!」

「暇人」

「んなわけないだろ」

「ありがとう」

「あぁ」

「…もう出発していいかい?」

「おう!」

「はい」


俺が車から離れると、車に群がっていた連中も離れ


祐と徹さんの乗った車は、駐車場を出ていった。


『無事な姿を確認する』


その為だけにここにいたメンバーは他にもいて


それを済ませたメンバー


真司・長谷川・緑川・鏡月・松本・石川の六人もすぐに帰っていった。


それから


何度も謝ってくる守と吉野も、何とかなだめて帰ってもらい


志貴と一緒に帰ると言う拓磨には


頭を下げて帰ってもらった。


そして、かなり気まずいが…


俺は、エイミーにも頭を下げて、部屋に戻ってもらった。

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