貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》
外れた世界 その10
放たれた無数の刄は凄絶なる光の収束体と成り、意志を持つかの様にヱグザスに襲い掛かった。 直撃した、一一男はそう確信した。しかし、それらは全て跳ね返され、男に牙を剥いた。爆音と共に着弾した光を男は受け止め切れずに後方の石壁まで吹き飛ばされた。「……ちっ……。」破れた外套を投げ捨て、舌を打つ。     不意に煙の中から刄が延びてきた。男は身を躱し後方に退避した。すると刄が数本に分裂し、それぞれが明確な殺意を以て切り掛かって来たのだ。刀身が曲がり、不規則な軌道を描がく。      「捕捉(とら)えろ。-堕天の冥鎖-よ一一一一!」 ヱグザスが宣言したと同時に剣は黒い鎖に変わり、男の四肢を締め上げ、絡め取った。身動きの取れなくなった男は体を動かし、必死に抵抗をするが抜け出せない。       「足掻くな。村人の腕を狩った罪を、償うが良い。」ブシュという音がした。鎖が男の腕を更に締め上げ、千切れた血管から花火の如く血飛沫が飛ぶ。       「ア゙ァァァァァアアアアア!!」声にならない悲鳴が夜を裂いた。剣を手から落とし、跪く男。その前には、ヱグザスが立っている。男はヱグザスの顔を見て戦慄した。  彼の悪意に満ちたその顔は一一一一ヒトの物では無かった。

前へ |次へ

作品目次へ
無銘の作品を探す
無銘文庫TOPへ