《MUMEI》 「──おいっ、井之上帰って来たぞ!」 「すっげー‥あの朝倉に勝ったのかよ」 「泉様〜♪」 「ステキ〜っ♪」 あっちこっちから、黄色い声。 「‥ち、やっぱうっせーな」 「あんたが言ったんじゃん‥教室行くぞって」 「‥分かってら」 むくれて、イズミが私を降ろす。 そしたら、沢木が近付いて来た。 「──どうやら決着、着いたみたいだね」 「‥まぁな」 「それにしても‥随分と派手にやったようだね」 「うっせーよ。優等生は黙ってろ」 「ぁぁ──そうするよ。とばっちりを受けるのは御免だからね」 前へ |次へ |
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