《MUMEI》

食パンマン専務は、会社に何の利益ももたらさない仕事に小休止を入れ、やめていた煙草に手をつけた。




――… ツウゥ … スパァ〜 …



窓の外を眺めて深く煙を吸いこむと、久しぶりの喫煙に目の前がクラクラと揺れる…。



その目まいにも似た感覚に、食パンマン専務は窓辺に手をついて体重を支えた。



やがて暗くなった視界が徐々に戻ると、48階のフロアから眼下に新宿のビル群の谷間を覗いていた…。



そこには蟻のように蟲めく人々の群れが行き交っていた…。



S専務「ふっ…。こうしてみると、人間なんて小さなもんだな…。」



その虫けらのような人間達は、スクランブル交差点を縦横無尽にかっ歩していたが、歩行者用の青信号の点滅とともに、潮が引くように車道から消えた。

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