《MUMEI》

「いや、えーと…好み!飯つくらなあかんならあんたの好み!」

特に理由が無い、とも言えなかったのでそれらしいのを言ってみる。

「くっ…はは、なるほどね、いや、熱心で嬉しいよ。」

少し驚いた後、笑いながら奴は言った。

「そうだね、アボカド以外なら基本的に食べれるよ。」

「あぁ、嫌いなんやな。」

「うん、なんかねっとりしてて濃くて、精液みたいだろ?」

「あぁ、なるほど……?」

何かおかしな単語無かったか?アキを振り返ると、

ニッコリ

「いや、何でもない…」

そう言って自分にあてがわれたソファに帰ろうとした。

「ねぇ、ピアス落ちそうだよ。」

「ほんまか?」

そう言ってとりあえず右耳を確かめようとすると、

「違うよ、こっち。」

そう言って反対の左耳に指を添えると、不意に顔を寄せ

カリッ

金属に歯の当たる音が耳元でした。そのまま阿騎の舌が耳たぶから上の方まで舐め上げた。

!!!!!

余りに突然の事に、驚きと悪寒とがゾクッとした感覚になって走り、不意に足の力が抜けた。

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