《MUMEI》
黒猫から元の姿へ
ピンポンパンポーン


『白いわんこと黒いにゃんこにお知らせします』


(み、緑川?)


拍手がやみ、俺に視線が集中した。


『着ぐるみ脱いで、フェロモン巻き散らしながら、お客山ほど連れて来なさい。

特に、黒いにゃんこさん』


ビクッ!


緑川は、低い声で告げた。


『無理矢理脱がされたくなかったら、自分で脱ぎなさい。

ちなみに無理矢理の場合は、上半身裸にするから』


(それは困る!)


そして、俺は慌てて着ぐるみの


まず、頭部を外した。


「プハッ…」


軽く汗をかいていたから、前髪をかきあげ、一息ついた。


「ねねね、猫さん?」

「…ん?」


俺を見る杏さんの顔は


真っ赤だった。


(おいおい、彼氏の前で…?)


そして、何故か、その彼氏の海さんも


周りの皆も


真っ赤だった。


(何だ?)


とりあえず、俺は皆を無視して着ぐるみを全部脱いだ。


…何故か、その頃までに、ギャラリーが数名鼻血を出して倒れた。


(暑いからな、今日は)


そして、俺が看板と着ぐるみを持って歩き出すと


何故か、後ろに行列が出来ていた。

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