《MUMEI》
戦闘開始
ヒュゥゥゥゥ・・・
風切り音が響き、空に赤い筋が延びている。
「戦闘開始だね。頑張ろう!」
それぞれが武器を構え、戦闘体勢を整える。
6対6のチーム戦。両チームは20メートルほど離れて対峙した。
「それじゃ、試合開始〜!私に続け!」
大声で叫ぶと疾走を開始する彩詩。それに追従するごま、レイ。狩月たちの姿が見えない。
「前衛は前へ!ジュレイド、君は後方待機!後衛に接近させるな!」
バンプが負けじと声を上げ、指示する。
答えるように式夜が疾走を開始、夕凪に声をかけ、爪を起動させる。バンプ自身もそれに続く。
ガラスが砕けるような清音が響く、バンプの爪や牙に光が灯り砕ける。
「防護術式解除完了。式夜、レイを抑えろ。」
「了。」
互いに声を掛け合い疾走。
「渦巻きし風よ!荒れ狂いて・・切り刻め!!ウィンドカッター!!」
横合いから魔法が展開、式夜とバンプへと真空波が向かう。
「居ないと思ったらそういう事か!」
声と共に爪を一閃、真空波を断ち切るバンプ。
その直後、式夜と彩詩が接触、一撃の元に吹き飛ばされる式夜。
「バンプ、覚悟!!」
「おおおおおおおおおおおお!!」
バンプへと殺到する彩詩とごま。
そこへ割ってはいる人影が一つ。
ガキィィン!
と剣と爪がぶつかり火花が散る。それと調和するように響く、砕け散るような清音。
「彩詩の相手は我がする、そなたはごまを!」
いつの間に間合いを詰めたのか、ハンディングが出現、ごまの一撃を片手に宿したマジックシールドで受け止めている。周囲には砕けたマジックシールドの残骸が浮遊している。
「作戦通りには行かないって訳か、行くぞぉぉ!!」
一陣の暴風と化したバンプがごまへと突撃をする。大きく後退するごまに追いつき爪が鎧を穿つために疾る。
「ウィンドバック!」
風が吹き荒れる。ごまの体が風に押され横へと動く。
バンプの放った突きはごまの鎧を掠った程度で終わり、ごまが放った横薙ぎの剣戟はバンプが片手の爪で止める、が一撃の重さが違い、受け止めた力を逃がすために横へと飛ぶバンプ。
追撃をかけようとするごまに矢の雨が降り注ぐ。
「ひゅ〜・・ごまの斬撃止めるとか・・私のじゃ貫けないかも。」
ハンディングと対峙した彩詩が楽しそうに笑う。
「17枚も破壊されたがな。」
右手に炎を出現させるハンディング。左手にはナイフを構えている。
「それでは・・行くとしよう。」
そのまま炎を彩詩へと放つ。

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