《MUMEI》
改めて、自己紹介
「もしかして…白いわんこさん、ですか?」


杏さんは、志貴を見て目を丸くしていた。


そして、それは、海君も同じだった。


「そうよ…って、さっきのチビ姫ちゃんとツンデレ王子君じゃない」


志貴はそんな二人を気にする事なく、笑いかけた。


「チビだけど、姫じゃないですよ!」

「王子でも、ツンデレでもねーよ」

「だって名前知らないし。あ、私は津田志貴。こっちは田中祐也ね」

「小宮(こみや)杏です」

「…大武(おおたけ)、海」


(苗字、わかりやすいな)


二人の苗字は見た目そのままだった。


「杏さん…じゃなくて、小宮さんは高三で、海君…大武君は、一個下だって」

「ふーん」


志貴は俺と同様、二人の年齢に特に驚かなかった。


「何で祐也言い直してるの?」

「いや、名前しか知らなかったから名前で呼んでたけど、やっぱり苗字の方が…」

「別にいいですよ。名前で。呼び捨てでもいいですし」

「つーか、正直君付け…慣れねーし」


そして、四人で話し合った結果


俺と志貴は二人を『杏ちゃん』『海』


杏ちゃんは俺達を『祐也君』『志貴ちゃん』


海は俺達をさん付けで呼ぶ事になった。

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