《MUMEI》
限定チョコの誘惑
「何でヤンキーやイケメンが普通に従ってんだよ。

それとも何か?

俺が神経質過ぎんのか…?」

「海? 大丈夫だよ、可愛いよ」

「バッ、それは今関係ねーだろ」

「えー…」

「一番無難なのは、『餌やりコース』だと思うよ」


全く会話の噛み合わない二人に


俺は思わずアドバイスしていた。


「まぁ、チョコレート苦手じゃなかったら、大丈夫じゃない?」


(あれ?)


チョコレートという単語に


何故か、海が反応した。


「今回は、限定チョコだし」

「あぁ。例の店の?」

「そう。チョコレート専門店の、一押し」


それは志貴が毎年バレンタインチョコを買っている店の物で


志貴だからこそ、仕入れる事ができた逸品だった。


「もう残り少ないみたいですよ!」


拓磨が誇らしげに言うと


「…しろ」

「え?」×3

「だから、『餌やりコース』案内しろって言ってんだよ」


(突然どうした?)


首を傾げる俺・志貴・拓磨の三人に


「海、チョコ好きなんです」


杏ちゃんが、理由を教えてくれた。


こうして、海は杏ちゃんにチョコを食べさせてもらい


かなり、幸せそうな顔をしていた。

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