《MUMEI》
喋り続ける二人
チョコを食べ終えると、海の表情は元に戻った。


「おい」


そしてすぐに志貴の所にやってきた海は


「店、教えろ」


少し照れながら、そう言った。


「いいわよ」


志貴はすぐにわかりやすいメモを書いて、海に渡した。


「杏、行くぞ」

「ふぇ? 行くって、どこへ?」

「店だよ。食い足りねー」

「え、文化祭は!?」

「もーいーだろ」

「えぇ〜!」

「…おごってやっから」

「行く」


(それでいいんだ!?)


それは、俺だけでなく、店内の誰もが感じた事だった。


「明日も来る?」

「無理。コイツ頭わりーから」

「テスト前に勉強するのは当たり前でしょ?」

「一夜漬けのくせに」

「やらない海よりましだもん!」

「俺頭いいし」

「うー!」


(すごいな)


二人は志貴が口をはさめないほど、絶え間なくやりとりをしていた。


そして、そのまま二人は歩き始め、去って行った。


「面白い二人だから、また会いたいなぁと思ったんだけど…」

「縁があったらまた会えるんじゃないか?」


少し寂しそうに二人を見送る志貴に、俺は笑いかけた。


俺も、志貴と同じ気持ちだった。

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