《MUMEI》
-Invisible 1 -
猫を拾った。

昔拾った黒い猫とよく似ていた。

或いは、何にも期待せず、ただ絶望していたその目が
それでもダレカを欲する目が

過去の自分に似ていたのかもしれない。

彼に特別な名前をあげた。
子供の時の唯一心を許した存在の名前。

これは予感か、それともただの自分の希望か。

まだ解らない

それでも不意に触れた君はとても暖かかった―

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