《MUMEI》

──寝る頃になって、また泉から電話がきた。





話す事は他愛もないような事ばっかなんだけど──何か楽しい。





「‥ふぁ‥」

《もう寝んのか》

「──もうちょっといいよ? 途中で寝ちゃうかもだけど‥」

《‥じゃあ切る》

「ぇ」

《‥声、聞いたら安心した》

「そぉ‥?」

《‥ぁぁ。──オヤスミ》

「うん──おやすみ泉──」





言いながら、だんだん意識が遠くなる。





泉が何かまた言ってるみたいなんだけど‥よく聞こえない。





‥マジで寝ちゃいそ‥。

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