《MUMEI》
サトミ
アキ、今度、修くん紹介してよ


えっ? 何て?


前からいいな、って思ってたんだ


透明のマニキュアを乾かしながらサトミが言った



修とは小さい頃からの幼なじみだが、中学、高校と進むに連れて、お互い忙しくて、だんだん話す機会がなくなっている



修がクラブ活動で遅くなり始めてからは、たまに校舎の中ですれ違うくらいだ



言いたいことを言葉にできて、やりたいことを行動に移せるサトミにはかなわない


そして、サトミのそんなところが、私はとても好きだ



いいよ、
反射的にそう答えていた


私はサトミが好きだから

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