《MUMEI》
アキ
金縛りにあったように、体が動かない



私の知らないサトミ



体中の血液が沸騰してクラクラする



自分を表現できなくて


自分の中の女も表現できなくて


…私はサトミほど“生きてない”


頭を殴られたようなショックだった


  ×  ×  ×


どこをどう歩いたのか

「君、大丈夫?」


ふと見上げると、優しそうな人

「何かあったの?送って行ってあげようか?」


サトミと修の姿が頭に浮かんだ

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