《MUMEI》
女に
私も好きにしていいんだ
女の子になってもいいんだ


「どこかに行きたい」


 大学生くらいのその人は、ちょっと驚いた顔をして、しばらく黙ったまま


 そして決心したように、私の手をつないで近くの公園へ


木陰で抱きしめて頭をなでる

「君は、いい子だよ


夜の公園は誰もいない


男は芝生の上に私を寝かせてブラウスのボタンを外していく


 うわずった声で「かわいい」と繰り返しながら、男が女にすることをしていく



私は修を好きだったわけではない


サトミが羨ましかっただけ

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