《MUMEI》 銃火器VS剣威力は低い、そう判断した彩詩は炎ごと斬ろうと剣を振り上げ・・ 左へと転ぶように移動する彩詩。 「っつ!やってくれるね!!」 右頬が切れ、血が流れている。 無造作に剣を振る彩詩。 キン、キィン、キィン! 金属音が続けて響き、彩詩の剣の上で火花が散る。 パラパラ・・と彩詩の剣から金属片が地面へ落ちる。 「我は後衛職だからな、一対一では分が悪すぎる。」 彩詩の横を抜け、そのまま式夜の援護へ向かうハンディング。 「待て!ってうわ!!!」 再び剣を振る彩詩。 火花が散る。 「彩の相手は私だよ〜!!」 距離を詰めながら手にした武器を乱射してくるエミ。 「魔導銃?ま〜た厄介な物持ち出して・・」 エミが構えているのは魔導銃と呼ばれる武器である。一般に流通している銃は火薬によって鋼鉄製の弾丸を撃ち出すものだが、魔導銃は撃ち出す弾丸や火薬などに魔力を籠め、威力や弾速を強化するものである。また事前に魔力を籠めておくことで無詠唱で魔法と変わらない効果を発動させることもでき、優秀な武器ではあるが、フィリアス教の秘匿技術の結晶である魔導銃はほとんど流通していない。 「褒めてくれなくても、派手に行くからね!!」 さらにもう一丁何処からとも無く取り出し、2つの魔導銃を構えるエミ。 ガン、ガン、ガン、ガン!! 魔導銃が連射される。火薬による閃光と打ち出される魔力を付与された弾丸が凄まじい速度で飛ぶ。 「あ〜〜〜!!」 剣で幾つかの弾丸を叩き落としながら距離をとる彩詩。 ガンガンガンガン・・・ 休むことなく連射するエミ。 右へ左へと瞬動を連続で使用しながら回避を続ける彩詩、弾丸が地面を抉り、付与されていた魔力が爆発を起こす。 「避けるな〜〜!」 笑いながら両手の魔導銃を乱射するエミ。彩詩は瞬動で高速移動しているにもかかわらず、正確に狙いを定めて撃ち続ける。 「避けるに決まってるでしょ〜が!!」 さらに幾つかの弾丸を叩き落し、起動したマジックシールドで弾丸を止める。一枚で一発・・程度しか止められていない。 ガンガンキンガンキンガンキンキン・・・ 火薬の爆発する音が消え、金属音が聞こえ始める。 「あ・・弾切れだ。」 そう言うが速いか右手の魔導銃を投げ捨てるエミ。 「チャンス!!」 一気に間合いを詰める彩詩。 「まだまだ沢山あるもんね〜だ。」 いつの間にやらエミの手にはさっきの魔導銃とは異なる形の銃が・・ タタタタタタタタタタ!!! 閃光と火薬の破裂音が響く。もちろん同じ数の弾丸も飛ぶ。 「えええええええええええええええええええ!!!!」 大急ぎで横っ飛びして、そのままごろごろと転がる彩詩。 「ちょ、ちょ・・何それ!!!」 タタタガンタタタタガンタタタタキンタタタキン!!! 「あ、こっちも弾切れか。」 左手の魔導銃もポイっと投げるともう一丁懐から取り出す。右手の魔導銃と同じ形の銃を・・ タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ!!! 先ほどの倍近い数の弾丸が飛び交う。 なんとか岩陰に隠れ、岩を魔力で強化、即席の盾にする彩詩。 前へ |次へ |
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