《MUMEI》 Mein Held.僕のヒーロー。くるみちゃんとの幼稚園の帰り、一緒に近所のスーパーでお買い物をしていたんだけど、色々な物が大き過ぎて持って帰れるかどうか心配になるくらいだった。 「牛乳だよ、大きいねぇ〜…洗剤が入ってるみたい…」 「おりぇ持てないかりゃパパに入れてもらってたんだよ〜」 「そうなんだ〜僕もコレ入れるのちょっと難しいかも…」 やっぱり克哉さんの車を借りて来れば良かったかな…。 克哉さんは僕をドイツに連れてくる前に、一応こっちでも運転出来るようにって国際運転免許にしてくるように言ったんで取得してきたけど。 まさか克哉さんが乗ってるのがあんな高級車だったなんて…。 予想はちょっとついてたけど…。 それに、わざわざ免許取らせたりして、何をさせるつもりなんだろう…。 「くみちゃんの好きなのなの〜♪」 ふと気付くと、くるみちゃんがその小さな両手でバケツに入ったアイスを持ってきていた。 「よぉいしょっ♪」 「えぇ〜バケツアイスって本当にバケツに入ってるの!?」 取っ手があって本当にバケツみたいなアイスの容器で、使い終わったら本当に小さいバケツとして使えそうなものだった。 「そんで、ねぇねぇおっきなトリしゃんなの///」 くるみちゃんはカートにそのアイスを入れると、得意げにその近くにあった冷凍棚にあった鶏丸ごとがパックされた一角を指さした。 「うわぁ…トリさんは一匹は無理だなぁ…」 「パパはおっきなトリしゃん全部やってたよぉ」 「えぇっι」 一体コレをどうやって調理するんだろう…。 トリ丸ごとだったり、足がそのまま置いてあったり、とにかく文化の違いを目の当たりにした。 「あ、くるみちゃんお菓子持ってきたからお野菜も買わなきゃね」 「うきゅっιあ…アイしゅはみんなで食べるのぉ〜ι」 カートを押しながら野菜売場に行くと、野菜がゴロゴロそのまま置いてあった。 プレートに書いてあるのは1kgの値段で、それを秤で量りながら袋に入れていくという方式だった。 前へ |次へ |
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