《MUMEI》
brother
あの日から一週間がたったある日―

「あ、弁当忘れてるやん。」
部屋に掃除機をかけながらリビングの机に置かれたままの弁当箱を見つけた。

「そういや、電話あってから急いで身支度していったな。」

らしくもないミスはそれか。
…………

届けるべき、か?
いや、でも弁当代に不自由なんてしとらんし。

……………

「そういや、病院ってことは働く真面目なアイツが見れる、と。」

決まりだ、名刺に病院の名前もあった。

どんなに分厚い猫の皮か見てやろう。

そうしてオレは身支度を始めた。

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